この記録的だった今年の酷暑でも、やっぱりお盆を過ぎた頃から、朝夕の空気が少し変わってきたように感じます。
日中は、まだまだ残暑と思えない程の真夏の日差しなのに、夜になると風が涼しくなり、いつの間にかもう虫の声が聞こえています。
気付くと陽も短くなり、7時を過ぎても明るかった空が、最近では6時半が近付くと段々と薄暗くなってきます。
空を見上げれば、夏の雲に秋の雲が混ざり始めていて。
お盆の頃にはこれでもかというほどに思い切り鳴り響いていたミンミンゼミの鳴き声もツクツクボウシの鳴き声に変わっている。
夕焼け空にヒグラシの鳴き声が聞こえてくると、何処となく寂しさを感じてしまうのは私だけでしょうか?
季節の移り変わりを感じる今日この頃。
土曜日に夏生まれ組の誕生日会と称して女子会をしたのですが、野菜関係の仕事をしている友達がスイカを持ってきてくれました。
夏も終わりに近付いているというのに、私は初物でした。
重たくて、ひとりで待つと落としてしまうのではないかとドキドキするほどの大きなスイカ。
切ってみると、鮮やかな真紅に近い瑞々しい赤色。
その瞬間、真っ赤な果肉から懐かしい夏の香りが漂ってきました。
子供の頃、母が切ってくれたスイカを家族団欒のテーブルで食べた、二度と戻らない懐かしい時間が、スイカの香りとともに蘇ってきました。
毎年、夏になると泊まりに行った祖母の家で、お盆の上に乗ったスイカを、集まった親戚の人達と囲んで食べた思い出やスイカ割りの思い出も。
香りだけで、瞬間的にたくさんの懐かしい風景が思い浮かんできました。
夏にしか楽しむことのできないスイカ、夏の限られた時間に感じられる、特別な、懐かしくて大切な思い出の香りです。