母の命日でした。
心筋梗塞で入院した母から退院後、たこ焼きが食べたいから買ってきてと
電話がありました。
その日は忙しくまた今度ねと電話を切ったのですが、
それから間もなくして母は突然亡くなりました。
あの時どうしてたこ焼き買って行かなかったのか、
また今度と言って電話を切った自分を責めました。
17年が過ぎてもたこ焼きを見るたびにあの時の後悔を思い出し、切なくなります。
父は昭和の時代によくあったいわゆる亭主関白。
母のことを見下すようにいつも怒鳴っている父が
私は子供の頃から好きではありませんでした。
昔はそんな言葉なかったけど、今で言えばモラハラって言うんだろうな。
最近は歳のせいもあり、体調不良を言い訳に電話をかけてきては
自分のことを心配しろと大袈裟にに訴えてきます。
自分で言う?
父は縫う程の怪我をした母を一晩中放置していた人間です。
心配しろと言えば言うほど、自分ばっかりと気持ちも薄れていく。
今日、母のお墓の前でお線香をあげている父の頭が目に入りました。
帽子の隙間から、髪の毛がなくなりちょっとしわしわでシミのできた頭皮。
何故だかわからないけど、
それをみたらもう少し優しくしてあげようかなという気持ちになりました。
もうとっくの昔に立派なおじいちゃんなのは知っているけど
改めて老いを見つけてしまうとね。
もう老い先短いし、もしかしたら私が先にいなくなる可能性もある。
その時にまた後悔をしないように美味しいもの食べさせてあげてね、と
心優しい母が今日という日を選んでメッセージをくれたのかもしれません。
お墓参りの帰りに母の法事をした和食屋さんに寄り一緒にお昼を食べました。
父はとても嬉しそうでした。